|
||||||||||||
|
|
||
緯糸と経糸が重なり一枚の布となる。糸の組合せによって、表情や色彩の可能性は無限大。松中さんの手で生命を吹き込まれた糸は、優しく表情豊かな織物となる。「糸の重なりだけでなく、布の重なりでも新たな表情が生まれる。いろいろな要素の『重なり』から生まれる味わいを楽しんでもらえれば」との思いを二重織のストールに込めた。 染色家の姉、祥子さんが栗の渋皮とヤマモモで染めた絹糸を織り上げたストールは、重なりを際立たせる透け感が美しい。精練していない絹独特の張りと、ざっくりした風合い、アクセントとなる立体感のある緯糸。そんな素材の持ち味が凝縮されている。 |
もう一方は、真ん中の緯糸を境に二枚の布が入れ替わる二重織のストール。重ねてまとったり、結んだりと、四枚の布をまとう感覚で自在にアレンジができる。豊かな色彩を放つスオウの赤、玉ねぎの皮の橙、インドヤコウボクの花芯の薄緑。優しくなじむ風合いは、素材感を大切にする松中さんの織物ならでは。 「日常に融け込んで、ほっと和んでもらえる織物を作り続けたい」。今日も緯糸と経糸に思いを込めて、丹念に織り上げてゆく。 |
|
|||||||||
|