|
||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||
“NUSSHA”。山中漆器の気鋭ブランドである。名の由来は、塗師屋を指す方言「ぬっしゃ」。2004年、山中漆器の企業数社がミラノ在住のデザイナー、富田一彦氏の協力を得て立ち上げた。そのリーダーとして手腕を発揮してきたのが石橋さんだ。 デビュー直後からヨーロッパのバイヤーたちを虜にした“VENIE”シリーズ。布地をポリエステル樹脂とともに圧縮形成しており、華やかな和柄とパールカラー、異素材の組合せが魅力である。「当初は海外向けブランドとしてスタートしたのですが、国内からも引き合いがありました」。逆輸入という形で“NUSSHA”は国内デビューを果たすこととなった。 |
2011年に地元デザイナーとともに手がけた“KANNA”は、やわらかな木の質感が印象的だ。表面に刻まれた紋様は、ろくろ技術の真髄ともいえる加飾挽きによるもの。白をベースに伝統の技を軽やかに見せ、用の美を堪能させてくれる。 「山中は温泉街だからか、新しいものも抵抗なく受け入れる土地柄なんです」。石橋さんの言葉は、時代の移ろいとともに進化を続ける山中漆器そのものである。 |
|
|||||||||
|