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端正なフォルムで器がたたずんでいる。白い肌に黒い粒がぽつりぽつり。凛とした姿と質感は石のようで、思わず見入ってしまう世界がそこにある。素材は、白磁になるくらいきめの細かい磁器土。白岩さんはこの土に魅入られている。「本当にきれいな白色で、釉薬をのせるのもためらわれて」。土の魅力をそのまま自分の創作に活かそうと模索し、今回の表現にたどり着いた。
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白い土に砂やレンガ屑を混ぜ込んだのは、より自然でさりげない表情を得たかったからだ。土の素顔を大切にしたいがために、釉薬は使わず高温で焼き締めた。その結果、白い石のような風合いが引き出され、心地いい手ざわりのテクスチャに仕上がっている。 表面を横断する線描は、ずっと追いかけてきたテーマの一つだ。生物などにヒントを得つつ、掻き落とし線でイメージを構成。独自の静謐な世界を描き出している。無地の片口は、形をひねり出した際のろくろ目をそっとそのまま残す感覚で作られた。ふとした拍子に表情を変えるろくろ目の妙を活かしたいという。奇をてらうことなく、無理を強いることなく、大好きな磁器土を見つめている。 |
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