|
||||||||||||
|
|
||||||||||
ゆらゆらと小瓶で光が揺れている。ガラス鉢を通る光も、優しく揺れながら食卓に影を落していく。揺れる光の魅力から「ゆらぎの器」と呼ばれる西山さんのガラス。さりげないたたずまいの中に、優しさや温もりも見え隠れする。「冷たく思われがちなガラスだけど、実は温かみややわらかさも持っている。それを表現したいと思っています」 |
そんな思いを表すために西山さんが選んだのが、型吹きの技法である。溶かしたガラスをさまざまな形のモール(金型)に吹き込んで、凹凸の微妙なテクスチャを引き出したり、モールのラインを刻んだり。欲しい表情を得るために金型を自作することも多いという。型から取り出した後は、再び吹きながら形を整える。「あまり余分な作業はせず、すっと一気に伸ばしていく方がガラス本来の美しさを引き出せる気がします」 ガラスの自然な動きに寄り添いつつ、一つひとつに個性を吹き込んでいく。やわらかな形と質感は、手によくなじんで使い勝手もいい。「ガラスをもっと生活に取り込んでもらいたい」から、軸足を普段使いに置いて温もりの器を追い続けている。 |
|
|||||||||
|