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持つと軽く、独特の丸みがやさしく手に沿う。使えば使うほどしっくりと体になじんでくる。椀や銘々皿、茶托、なつめなど丸物を得意とする山中漆器は、木地挽きであるロクロ挽きの卓越した技術で知られているが、その形の面白さこそが真骨頂だと畑さんは語る。 “Soji”シリーズでは、ロクロ挽きの魅力が存分に表現されている。通常はロクロ挽きした白木地に漆を塗って仕上げるが、木目の表情も豊かな“Soji”シリーズでは、素材感を前面に押し出すためにあえて漆を塗らず、ウレタン仕上げを施している。素材には栓(せん)の木を採用。木肌の白さやまっすぐな柾目が素のままの美しい表情で提供されている。 |
同シリーズの“tutu”と“hako”には、アクセントの意味でふたを「キナリ」「アカ」「チャ」の3色で着色した。中でも「アカ」が最も反響が大きいそうだ。実際に使うと明るく楽しい印象を与えながら、しっかりと生活に溶け込んでくれる。畑さんがめざすのは、伝統の技術に裏打ちされた「普段使いの暮らしの道具」。“Soji”シリーズはその旗頭である。本物を長く使い続けたいという若い世代へ、工芸品だけではない山中漆器の魅力を伝えていきたいと語ってくれた。
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