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透光性のある磁土を焼き締めた素地。硬質でありながら繊細で、思わずそっとなでてみたくなるような、柔らかでなめらかな独特の質感をたたえている。そんな磁土の魅力を伝えるために、木村さんが選んだのがこの表現法である。鋳込み成形で基本の形を作り、後は手のおもむくままに引いたり足したり、穴を開けたりした。蓮の実、蜂の巣、それとも木漏れ日…。やさしさの中に凛とした気品を宿す形ができあがった。
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そして、ここに光を呼び込む。白肌の柔らかな形に光が降りて、広がっていくもう一つの世界。窓辺に置けば、陽の動きとともに移ろう影が表情に彩りを添えてくれる。人工光に照らせば、影とのコントラストから別の姿が次々に浮かびあがる。 「手を動かしているときはまず形態のことを考えますが、どこかで『用』も意識しています」。ただ飾るだけでなく、使い手の思うままに使って欲しい、と語る木村さんである。 |
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