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田園を旅するイメージがふと浮かぶ、やさしい色合い。槐(えんじゅ)、楊梅(やまもも)などで染めたマットと、陶芸家、松本いづみさんの器で旅の情景を表現している。姉妹で営む織りと染の工房が制作の舞台。草木染について「暮らしに輝きと潤いを与えるエッセンス」と語る祥子さんは、福祉関係の仕事からの転身組。生き生きと織物をする妹の明子さんに触発され、自分は染色技術を身に付けようと心機一転したそうだ。祥子さんが染めた糸を使い、明子さんがイメージをふくらませて布を織る。 | 姉妹が力を合わせる姿を見て、撚糸会社を経営する父も「ここにしかないものを」と、麻糸の芯に和紙の繊維を巻きつけた独自の糸「加賀奉糸紬」を開発した。和紙のような風合いが草木染によく合い、工房のオリジナル商品になっている。「地味な印象がある草木染ですが、濃いピンクや紫もあるんです」と、さまざまな染料を積極的に取り入れて作品の幅を広げている。草木染は色を数色重ねてもなじみが良く、画一的でない自然の味わいが人を惹きつける。立体感のある服地にもその特長を生かしたいと、夢は無限大だ。 |
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