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山中漆器は透けるほどに薄く挽く、ろくろ挽きの職人技が真骨頂。百年余り続く漆器店、大島東太郎商店でもその技は連綿と受け継がれている。大島東太郎商店を軸に、さまざまな新商品を編み出したいと立ち上がった“O project”。大島さんを含む地元デザイナー6人が集まって、「○○な時間」をテーマに設定。「カタチのデザイン」ではなく「気持ちのデザイン」をコンセプトに、普段使いができる器などを提案している。出品の椀は、漆ではなく白木風に仕上げて、山中の技術そのものもアピール。 | それは素朴さ、優しさ、温かさを醸し出す器であり、日本古来の簡素な美さえも漂っている。そもそもは、自ら米作りもするデザイナーが、自分の作った米をよりおいしく食べたいとの思いから始まったものだ。実際に手に持って形を確認しながらの制作で、何度もろくろ挽きを繰り返し、時間をかけて完成した。欅(けやき)、桜、椈(ぶな)など7種があり、形は同じでもそれぞれ色や木目も異なる個性派ばかり。また、異種の木を接着させてから木地挽きをする椀も、ろくろ師の技が健在だからこそできた、山中ならではの逸品である。 |
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