|
30代から50代の男性たちが喜々として
取り組んでいるのが“SUPER KUTANI INSECT PROJECT”。九谷焼350年の歴史の中で継承されてきた色絵技法と造形技術の粋を集めて完成させた新たな九谷焼である。現在9人で構成される九谷塾が発足したのは2006年。伝統工芸の衰退に直面して問屋、窯元、絵付け職人が集合し、「何か行動を起こさなければ」とスタートした。当初は意見が食い違い、声を荒げる場面もあったというが、勉強会を重ねること2年、一度商売を離れ、幼い頃から好きだったカブトムシやクワガタを九谷焼で表現してみようと全員の意見が一致した。
|  |
できあがったのは、リアルな形に思い思いの加飾が施された華麗なる昆虫たち。新たに生まれた九谷の魅力にメディアが注目、海外からも注文が舞い込んだ。九谷塾ブランドの定着に一役買う成果を収めたが、当の塾生たちは部活動か自由研究の感覚で楽しんでいる。次に登場したカタツムリは、来夏までサンフランシスコや国内を巡回予定だ。300年前の九谷焼が現代の作品に影響を与えているように、九谷塾の作品も300年後の未来の九谷焼に何かしらの影響を与え、歴史の1ページに残るものになれば、と壮大な夢を描いている。
|
