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加賀繍の歴史は古い。室町に始まり、加賀藩の庇護下で発達した。美しい糸を使って立体感のある精緻な図柄を表現するのが特徴だ。現在は国指定の伝統工芸であり、厳しい審査をパスした伝統工芸士たちが加賀繍を支えている。が、作業のメインが帯・着物の加飾であるため、加賀繍を独立した工芸と認知する人はそう多くないそうだ。振興をめざす葭ヶ浦さんは、商品開発や異業種連携など、加賀繍の魅力を発信する努力を続けている。 今回の提案は、桐工芸との共同作業。手のひらに収まる桐箱に刺繍を施した。 |
肉入れ繍という綿入れの技法を用いて、ほっこりとした表情を演出。名刺入れや葉書入れに使えるサイズも計画中だという。一方、茶屋辻文様の訪問着は、スタッフが2年がかりで制作した自信作。加賀繍の技の粋を今に伝えるという役目を背負う。この他にも加賀友禅とコラボレーションした「モダン加賀繍きもの」の制作など、意欲的な試みを着実に進めている。 工房には、葭ヶ浦さんを含めて伝統工芸士が6人。加賀繍を次代にしっかり繋いでいこうと、針持つ手は今日も止まることがない。 |
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