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金沢仏壇の彫刻を手がける利一さんが、息子の利也さんと仏壇の枠を離れ、遊び心をもって製作するのは、木の感触も優しい身の回り品の数々。幾重にも重なった花びらが見事なブローチや、手の平にしっくりなじむ茶杓など、仏壇彫刻の伝統工芸士ならではの見事な技術が光る。 工房では親子が机を並べ、利一さんが描いた図案を利也さんが木工ミシンで挽き、それを父が粗叩きした後、息子が細かい細工を施してと、ふたりで力を合わせて木に生き生きとした生命を吹き込んでいく。 |
花のデザインでは線の柔らかさや感覚の豊かさにひかれて、アールヌーボーを勉強したという利一さん。茶杓には隣接する松月寺の天然記念木のサクラを用いたものなど、珍しい材料も。「代々受け継がれるような作品を作っていきたい」と話す林さん親子の作品は、木の持ち味を最大限に生かすため、同じデザインでも彫りの段階で微妙に変化をつける。同じ物はふたつとできない、まさに職人技のオリジナルである。 |
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