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ふんわりと春風に包まれるような優しい色調と質感。庄田さんが生み出す器は、やわらかく、でしゃばらない。しかしながら、静かな存在感を放っている。例えば、黒マット釉に白い文様がぼんやりと浮かぶ「黒みつば」シリーズがそう。北欧をイメージしたという器は、今や彼女の定番商品として確固たる人気を保っている。 そんな定番を核に、新しいものを取り入れていく、というのが気負いのない彼女のスタイルだ。ある時、 |
全面に絵が描かれたガラス器に出会い、自分もとトライしてみた。さかずきの内側に、高台にと、あふれんばかりの絵が躍る。くっきりとした線描を好まない庄田さんは、一般的な呉須ではなく 「鬼板」という顔料で淡い線を描き、色付けする。華やかな絵柄なのに息苦しさがないのは、巧まざる表現力のなせる技だろう。「手に取る人が『エヘっ』となる器を作りたい」。庄田さんの器を眺めていると、その言葉に思わずうなずいてしまうのだ。 |
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