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中町さんの作品は、大きく分けると染付と色絵。今回の出品作、大中小3つの深皿を重ねて一つに納められる「入れ子」も、染付と色絵の2種を制作した。お正月に合わせ、硯はちょっと遊び心をきかせてみた。そのどれを見ても、絵を楽しげに描いたあとがうかがわれ、「毎日の食卓を和ませることができれば」という中町さんの思いが伝わってくる。 中町さんが陶芸の世界に足を踏み入れたきっかけは陶芸教室。そこでは土ものの成形が主で、次第に絵を描きたいと思うようになっていった。現在は、「自分が使ってみておもしろいと思えるもの」を創っているのだそうだ。 |
絵付けのデザインは、雑誌や音楽にインスピレーションを受けることもあるが、古九谷や古染付をよく参考にする。しかし、古来の文様を写すだけでは、自分が作った器のかたちにしっくりこないこともある。そんな場合は筆のタッチや色調を変えて「自分らしさ」を模索する。 この独自性が中町さんの当面の目標だ。染付にしても色絵にしても、自分がイメージした色を出すことはなかなか難しい。 「使ってみて、心からいいなと思うことは滅多にない」という乾きが、今日も彼女を作品づくりに向かわせている。 |
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