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九谷焼技術研修所の卒業制作の時、作品の一つがどうしても締め切りに間に合いそうになかった。仕方なく手近にあったプラモデルの絵の具を使ってみたら、思いがけずカワイイ作品に仕上がったのが「世界にひとつ絵」シリーズを始めるきっかけだった。 もともとはあまり絵が得意ではなかったが、描き続けるうちに手応えを感じるようになったと言う。抽象画を思わせる画風には稚気と遊び心があふれていて、楽しい気分にさせてくれる。しかもよく見るとその絵の細かい表現と彩りの多さ、美しさに気づく。少し前は個性が強く「これが九谷焼?」といぶかられる作品が多かったが、近頃は使いやすく品格があり、それでいてカワイイモノが作れるようになった。 |
土から練り上げ、いつも用意してある数十種類の色を駆使して彩色する。九谷の土、九谷の絵の具、九谷の技法…九谷の基本があるからこそ今の作風がある、と自信を覗かせる。その根拠の一端は、7代続いた九谷焼の家系の血にあるのかもしれない。 今回の「万華鏡」シリーズはその技術とこだわりを傾けて挑戦した逸品。さすがに繊細なタッチと彩りの妙には目を奪われる。 売れる売れないにはこだわらない。ありえない色を使い方次第で「いい色」に作り上げて、びっくりさせるモノ、変わっているモノを作り、沢山の人に見てもらうことが今の仕事。ここ数年は各地で開催する個展に力を入れている。「めざすのは世界!」と目標は大きい。 |
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