|
||||||||||||
|
| |||||||
「かわいい!」作品を見て思わず出た言葉に、「それが狙いです」と微笑む久手川さん。
シンプルな形にスクエアやドットのポップな色使いの柄。
アジア、南米といった異国の雰囲気も感じさせる作品は、思わず手にとりたくなる、親しみやすさと愛らしさが魅力だ。 今回の作品はアメリカ・ロサンジェルスの企業で、布地にプリントする柄や色のデザインを担当していた約6年間の海外経験の集大成。 キャッチフレーズもずばり「異文化交流」だ。 外国で培った色彩感覚と、独自のデザインセンスをフルに活用。 これまでの九谷焼にはあまり見られなかった色使いと絵柄を組み合わせて、インパクトの強い作品を完成させている。 |
澄んだ水色や黄色、鮮やかな原色で彩色されたそばちょこや飯碗、器などに共通するのは、手になじむ和食器の心地よさと、
食卓を明るく楽しい雰囲気に演出してくれるワクワク感だ。 「そこにあるだけで場の雰囲気を変えたり、人を立ち止まらせたりすることができるような力のある作品を作っていきたい」という久手川さん。 「将来はオブジェやインテリアにも挑戦したい」と語る目には、"九谷焼"というビッグネームに対する気負いや迷いは全く感じられない。 「手で何かを作る仕事がしたい」と帰国し、31歳で研修所の門を叩いた異色の経歴の持ち主は、今後も意欲的に制作を続けていくことだろう。 目の離せない若手の一人である。 |
| |||||||||
|