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その明るさと色使いに、思わず誰もが足を止め見入ってしまう。それが清井さんのガラスだ。
赤、青、黄色…衒いもためらいもなく原色が映し出された器には、工房のある金沢・牧山の風景とは異なる空気が漂う。
理由をたどると、それは地球の裏側、中南米の国コスタリカに行き着いた。 青年海外協力隊員として2年間、コスタリカの大学でガラス制作を教えた。穏やかな気候、おおらかな国民性。 約束には1時間ぐらい平気で遅れるし、教授たちは会議の後でサルサを踊り出す。 学生にトンボ玉を作らせると、日本人には思いもつかない色の組み合わせが生まれる。 明るい太陽の下でそうした時間を過ごすうちに、自分の道が見えてきたという。 |
「僕の個性は、色。原色だ」。 その色を吹きガラスで表現する。色とりどりの水滴は、胴の部分にガラスをくっつけ、それを引っ張り出して注ぎ口を作る。その日の天候や加減次第で一つとして同じものにはならないが、その手づくり感を大切にしたいと語る。 「工業デザイナーの頃はひたすらデザインするだけでしたが、ガラスは初めから終わりまで、自分一人で作る。それが楽しいんです」。 自分らしくあせらずに、と清井さん。ラテンの陽を浴びて、原色のガラスは独自の光を放ち始めた。 |
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