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学校を出て建築関係の会社に就職、仕事を覚えた矢先に一念発起、モノを作る仕事を一生やっていきたい、と陶芸の世界へ転身した。
職場の上司からはずいぶんと慰留されたが、本当に作りたいものを作ろうという決意は固かった。
色絵の大家松本佐一氏に師事するも、北嶋さんが選んだのは青白磁。
青磁や青白磁は、中国を発祥の地とする伝統的なやきものだが、北嶋さんは古くから焼かれてきた作品を見るうちに、
青っぽく透明感のあるものを焼きたいと考えるようになったという。 作るのは専ら食器。自分が毎日の食卓に使うことを考えれば、使い回しのきくものがいい。 |
すると、かたちはシンプル、色は青みがかった白という、ややもすれば主張性の薄いやきものになってしまう。
そんな器になんとか自分らしさを出せないものか、と北嶋さんは模索している。
目下は、器の表面に凹凸を付けることで色調の微細な濃淡を出している。 青白磁の発色は、釉薬の調合などさまざまな条件に左右される微妙なもの。 これに取り組む作家にとって、自分のイメージする色を出すのがいかに大変なことか、とよくいわれる。 北嶋さんもまた、釉薬の調合を少しずつ変え、ひたすら焼くことに励む。 「満足のいくものを作れるにはまだまだ。修業中です」というその表情には、自分の選んだ道への満足が浮かんでいた。 |
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