|
||||||||||||
|
| ||||||||
「近年、原点回帰というか、日本の伝統文化への関心の高まりを感じます」と語る大島さん。だからこそ今回は、象嵌、糸目筋など山中漆器の伝統的な技を主体にした商品を打ち出した。 ふたに銀象嵌をあしらった欅の小箱と弁当箱は、銀の上にさらに漆を塗ってあり、見た目には金色に見える。細やかな糸目筋が美しいコットン応用器は、ふたを入れて7つの器からなる。これひとつで一人暮らしがまかなえる、という発想から生まれた作品だ。どちらも装飾がアクセントになり、洗練度を増している。伝統工芸を現代のテーブルに生かすための、計算されたほどよさ加減が心地いい。 |
漆器業界でここ数年主流のシンプルデザインも、行きつけば無味乾燥になる。「山中ならではの技術を大切にしたい」という大島さんの思いが、今回の器づくりにつながった。 使い方は特に限定しない。「デザインセンターの講習会で勉強するうちに、作り手側が考えているより、器はもっと自由なものだと気付いたんです。お客さんのほうがアイディアは豊富ですよ」と軽やかに笑う。 ざらっとした表面の質感が土物の茶碗を思わせる楽椀。微妙な模様が現代的なティーマットなど、遊び心ある漆器を考案するのも得意だ。「使う側のイメージをかきたてる器づくりが、今おもしろいんです」。 |
| |||||||||
|