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表面がごつごつとした大きな口のワニや、まん丸いカメ。「何だろう?」とおそるおそる触れてみると、彼らの背中がぱかりと開き、中は小物入になっている。なるほどと納得した後にまじまじ眺めると、どこか憎めない彼らの表情に思わずニンマリ。それが村井さんの狙いだ。 とかく明るい話題に乏しい昨今、そこにあるだけで元気の素になるような器が作れないものかと考えた村井さん。折りしも制作活動の転換期にさしかかり、「自分の好きなものを気兼ねなく作りたい」と考えていたところだった。 旅行などに出かけると必ずといっていいほど動物園に足が向く動物好き。心を和ませる動物を、 |
そのものの形で器にしたいと思った。中に入れるものは使い手次第。宝物や植物を入れたり、おつまみを忍ばせておいてお客をびっくりさせたりと、どんな使い方でも思いのままに叶えてくれる。インテリアとして飾っておけば、まるでペットのように愛着がわくに違いない。 村井さんはこれらの器を単なる道具ではなく、時には相棒のような存在であってほしいと願う。 「子どものような気持ちで作りますね。完成度を上げることよりも、えいやっという楽しい勢いを大切にしています」。 無味乾燥な日常にユーモアや元気をもたらしてくれる愛嬌たっぷりの器たちは、忘れかけていた童心をも思い出させてくれる。 |
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