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守田さんが特にこだわるのが、“ふだん使いの器”だ。好んで使う素材は、桜。木目がおだやかで主張しすぎず、作り手のイメージ通りの色に仕上げられるためだという。また、堅くねばりのある材質で、薄挽きにもよく耐えられる。軽くて口当たりのいい飯椀・汁椀づくりをめざす守田さんには、もってこいの素材である。塗りは、傷がついても目立ない拭漆。木地の表面を赤や黒で染めた後、5〜6回の拭漆が重ねてあり、丈夫さも申し分ない。 今回の作品は、赤黒2色で、京椀、百合椀、都椀、カフェオレボール、ソーサー、プレートの一式が揃えられるようになっている。「朝、昼、晩と、自由な組み合わせで |
使えるように工夫しました」。 漆の下にやわらかく木目が浮かび上がり、洋食器はもちろん、銀食器とも合わせやすい。「漆器は日本が世界に誇れる工芸文化ですが、次世代へと伝えるには、今の生活に合った商品づくりが大切なんです」。 漆器商の家に生まれ、幼い頃から漆器に囲まれて育った守田さんが、そのすばらしさに気づいたのは、アメリカの大学に学び、帰国してからのこと。「何気なく使っていた飯椀が、すごく軽く感じられた。そして温かみも…。漆器は扱いにくいと思われがちですが、とにかく使ってみてほしい。愛用するうちに自然とよさがわかってきますから」と語る守田さんである。 |
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