|
||||||||||||
|
| |||||||||||||
広瀬さんが水引細工を始めたのは、ニュージーランドで日本の文化を紹介するためで、特別な関心があったわけではないという。だから、加賀水引に由来する伝統とかしきたりに対するこだわりは、ない。自称・金沢水引。新しくて雅びやかで、しかも実用的な世界なのだ。 「Wadern STYLE」 “息づく「wa」文化”――色づかいは、ただかわいい、きれいということで決めているのではない。和装の際には必ず気にかける、季節ごとの色合わせがもとになったものが多く、「若草」や「天の川」など常に意味の隠された配色になっている。また、材料の水引にもこだわり、純和製の飾糸巻水引しか使わない。 |
“「dern(ダン)」のココロ”――糸が八の字を描く「あわじ結び」を基本にして籠、花、手まり、ランプシェードなど、ありとあらゆる造形が生まれる。形式的な飾りとしてではなく、「Modern」なデザインでふだんから使えるものをめざしている。 作家としてのキャリアはまだ3年足らずだが、最近はホテルやレストランのディスプレイなど、大きな作品を手がける機会も得た。また、特許出願中の新しい編み方も生み出し、水引が家具や建築資材などあらゆる分野で応用できるという手ごたえも感じている。 暮らしとともにある水引細工が、金沢から世界へ発信される日も近いのではないだろうか。 |
| |||||||||
|