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「ふだん使いの器は空気のようなもの。気楽に使ってほしい」と話す赤地さん。今回の作品は、飯碗、湯のみ、急須など、どれも日々の暮らしに欠かせない器ばかりである。 赤地さんのお父さんは、赤絵で人気の高い九谷作家・健さんだ。父が土をひねり、絵筆を走らせる姿を横目で見ながら、父の器でご飯を食べて育った赤地さんだから、作陶に対する彼の姿勢も、まことに自然体である。過剰の気負いも虚栄もない。 「父と違うものを作らなくてはと思った時期もありますが、近頃では、父をまねることも創造の糧、と考えるようになりました」。 この地で生まれた縁を大切にして、しっかり地に足のついた仕事をしていきたい、と語る赤地さん。 |
だから作品には必ず、九谷の土、九谷の絵の具を使うそうだ。特に最近は古典的なもの、日本的なものに強く惹かれているとのことで、今回の器にも花鳥文や十草などの伝統紋様が赤地さんらしい筆致で描かれている。 彼のひねる器はことのほか使い心地がいい。小鉢に、向付けに、と自由度の高い大ぶりのそばちょこ、てのひらに気持ちよく収まる飯碗、食卓を明るく彩ってくれそうな汁つぎ…。 「器の名などに捉われず、使う方の好きなように楽しんで使ってもらえれば、何よりですね」という赤地さんの器があれば、きっと“日常茶飯”がもっと楽しく、心豊かなひとときとなるにちがいない。 |
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