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金沢美大を卒業後グラフィックの道に進んだものの、何かが違う、そんな思いをぬぐい切れなかったという中村さん。
ふとしたことから九谷焼の上絵の美しさを再確認し、自分のペースで自由に創作できる陶芸の世界にのめり込んでいったそうです。 「絵を描きたいので板作りのものが多いですね。陶芸家の主人に相談に乗ってもらうこともあります」。中村さんが描くのは、何気ない自然の風景を切り取ったもの。 椿の花が地面に落ちた様子を描く今回の作品では、一つとして同じ所に花の落ちたものがありません。 それぞれが違う皿を使っているけれど、全体として家族の囲んだテーブルがまるで椿の庭にいるような、そんな雰囲気を出したかったとのことでした。 |
器が使われる家庭の食卓風景を想像し、その場がもっと楽しくなるようにと願いを込めて作るのが中村さんのスタイル。「昆虫のいるモーニングプレートなどは、我が家の息子も大喜び。 そこから会話が弾むこともあるんですよ」。そんな彼女がこれから取り組もうとしているのが、大人の鑑賞にも堪えられる子どものための良質のクラフト。 「例えば、昔からある絵替わり銘々皿の贅沢さや楽しさを、アニメや4コマ漫画の連続性で表すとか、立体展開してみるとか。形になるには時間がかかりそうですけど」。 近頃少なくなった家族団欒の風景を甦らせたい、そんな思いが彼女の作品から伝わってきます。 |
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