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助けあい、時には罵りあったりしながらも、お互いの才能を認めあい、それぞれの個性を大切にした、仲良し夫婦です。鐵男さんは金沢美術工芸大学で工業デザインを学んだ後、石川県工業試験場で働いていましたが「図面や文書の仕事は性にあわん」と奮起して、独学でやきものの道に。名古屋でやきものを勉強していた時に、利子さんと知り合って今日まで32年です。鐵男さんが駆け出しの頃は、利子さんは友禅の彩色で家計を助け、忙しくなってきたら家業を手伝い、わがままな旦那さんとつつましい奥さんの見本のようなお二人です。いつもは、赤絵や染付がお得意の鐵男さんですが、今回は「加賀は銀箔だ。ゆっくり飲もうよ」と、加賀の殿様のように粋で、酒樽のように勢いのある造形の器です。 | 利子さんは、平成6年九谷焼技術研修所でやきものを学び、数年前から自分なりのもの作りを始め、日常生活に何か心温まる、ほっとするエッセンスがほしいと、おひなさま、かぶと、お月見といった可愛いオーナメントの提案です。そんな利子さんに、近年ではしっかりファンもついてしまって、「そんなもんクラフトじゃない」と罵りながらも、その才能を認めざるを得ないと鐵男さん。かと言って鐵男さんを師として、その文句に耳を傾ける利子さんの夫婦愛が、あたたかく、まるでこのお雛様のようです。 |
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