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・平成13年度選定商品カタログ

石川のクラフト「わたしの利家・わたしのまつ」 〜ご夫婦が力を合わせて、ご夫婦がそれぞれに〜
 作り手からは「ものが売れない」、売り手からは「売るものがない」、使い手からは「買うものがない」という、ため息のもれる不思議な時代です。  売り手のみなさんたちからは、椀や花器といった伝統的な工芸品ばかりではない「何か新しいもの」が切実に求められ、誰が、どこで、どんな思いで作っているのかという「作り手の顔」が求められ、できることなら売り言葉につながる「何か楽しいお話しも」求められていました。  石川県は、輪島塗、山中漆器、九谷焼、加賀友禅など数多くの伝統工芸を有しています。しかし、近年の売り手の声に応えるかのように、沢山の作り手が、思い思いに今の時代の生活に対応したもの作りを行っています。  中でも、工芸やデザインの学校で学んだ若者たちは、生活は苦しいながらも、着実に力を付け、「スタジオ・クラフト」と言うべく、新しい工芸・小さな工房として育ってきています。  産地の中でも、普段は木地とか蒔絵といった分業化した下請仕事をしながらも、夜や休みの日に思い思いの創作に取り組むもの。そして東京や大阪、九州からも創作の場をこの地に求めてきたもの、結婚してこの地にきたものなど様々です。  こうしたことから石川県デザインセンターでは、「伝統工芸」なのか「クラフト」なのかといった作る側の区分ばかりではなく、それが「アート」を志向していたとしても、「今の生活をより楽しいものにしよう」と頑張っている人たちの作るものを「石川県デザインセンター選定商品」として選定し、新しい販路開拓の応援をしています。  ここ3〜4年は、若い作り手の発掘支援に重点をおいてきましたが、今回はNHK大河ドラマ「利家とまつ」放映にあわせて、ご夫婦が力を合わせて、またご夫婦がそれぞれに、「がんばるご夫婦」を中心に構成しました。  どうしても商品というものは、見た目と機能と価格のバランスでだけ語られがちですが、どんな気持ちで作られたのか、どんな場面で誰に使って欲しいのか、その思いは聞けば聞くほど、夢と苦労の積み重ねです。  なかには「わたしのまつを募集中」とか「まつ、一人でがんばる」いう人も何人かおりますが、自らの個性を最大限に発揮しながらも、生活のシーンを見つめ直し、自らの技術と生活体験の中から生み出された無理のない形ばかりです。  ご利用を期待しています。

平成13年度 デザイン推奨事業 実施概要
目的 「石川県デザインセンター選定商品」の選定と普及
主催 (財)石川県デザインセンター
内容
@テーマの検討
クラフトをどのように今の時代に普及させていくか、そのためにこの事業をどのように進めていくか検討し、重点的に勧誘する作り手のリストアップも行いました。
日 時: 平成13年11月7日(水)
委 員: 橋本京子  (社)日本クラフトデザイン協会理事長
小松喨一  金沢美術工芸大学名誉教授
ほか、金沢、輪島、山中、九谷等の産地で、工芸の振興や指導に携わっている専門家にも参加していただきました。

A作品の公募
テーマ設定委員会での検討に基づき、「わたしの利家・わたしのまつ」をテーマに作品を公募しました。
特に、テーマ設定委員会で推薦のあった作り手には重点的に申請勧誘を行いました。(11月〜12月)

B審査会及び意見交換会
出品者に作品を持ち寄ってもらい、作品の審査を行いました。また、今後どんなところをどのように改善すればもっとよくなるか、委員からからアドバイスをいただきました。
日 時: 平成14年1月15日(火)

選定基準
選定商品としての、基本的な考え方は概ね次のとおり。
@テーマに合っているもの
・今回のテーマは「私の利家・私のまつ」。ご夫婦が力を合わせて、またご夫婦がそれぞれに制作にとりくんでいるもの。
・一人でも、企業でも、新しい時代を切り開こうという信念に溢れ、かつ誠実にもの作りを行っているもの。
Aデザインマインドに溢れ、生活者のウォンツを喚起するもの
・オリジナリティと創作意欲に溢れ、生活に対する思いやり、新しい生活提案が込められているもの。
・時代性、市場性など生活者やマーケットのニーズに対応するもの、できれば生活者のウォンツを喚起するもの。
・妥当な価格で、作品ではなく商品としての価値の高いもの。

選定商品の普及
@第53回東京インターナショナル「ギフト・ショー・春2002」
アクティブデザイン&クラフトフェアに出展
日 時: 平成14年2月26日(火)〜28日(木)3日間
会 場: 東京ビックサイト
A選定商品カタログの作成
選定商品と作り手の思いを掲載したカタログを作成し、見本市で配布するほか全国の専門店に送付します。
B5版28頁(カラー)
B石川県デザインセンターで常設展示
C百貨店や専門店の企画催事への出品
お話しがあれば百貨店や専門店の企画催事に出展し、即売や新しい販路の開拓に努めます。