尾田伊生家具工房 
〒920-1108 
石川県金沢市俵町311 
TEL:076-261-6621 
FAX:076-261-6621 
お客様に引き取られた後の様子を
心配するその顔は、お嫁にいった娘の
身を案ずる父親のようです。

椅子(子供用ロッキングチェア)  100,000円
工芸を大切にする金沢で、思いのほか作り手の少ないものの一つが家具ですが、そんな金沢で、遠く日本海までが一望できる山の中腹の工房で、一人もくもくと家具作りに精を出しているのが尾田さんです。学生時代にヨーロッパを旅してアンティーク家具に出会い、その歴史の重みに触れたことが、家具づくりのきっかけでした。日本大学卒業後、会社員として働いていましたが、どうしても家具が作りたくて3年間働いた会社を辞め、職業訓練校で家具を学んで独立されました。「日本のいい木の文化が戦争で寸断された」とか「作家であってはいけない」とか、難しい話しも飛び交いますが、実はあまり難しく考え込むではない様子。ですから尾田さんの家具は、主張しすぎることはなく、生活空間に和らぎや利便性を与えてくれる「生活の道具」で踏みとどまっているのが魅力です。 「材料は国産の広葉樹を使っていますが、日本人の感覚にあったたおやかな木目で、道具に適した硬さだからです。製材された板は、同じ樹種であっても、育った環境によって千差万別の形や木目を持っており、例えば苦労して育てた木には味があるように、木それぞれの個性を最大限に活かすことが私の仕事」と言う尾田さん。独立してはや15年、これまでに作った家具は1,000点は越え、お客様は北陸一円。その後の様子が心配で、時々お客様を訪ねることもあるそうですが、その顔はお嫁にいった娘の身を案ずる父親のようです。

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