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いつも、木の持っている自然な表情を生かし、ザクッとした荒削りの斫(はつり)がご自慢の山口さん。今回は、リサイクルとか、環境保護とか言われる時代に、自分に出来ることは何なのか考えました。 漆器という仕事そのものも自然に優しい仕事ですが、資源を無駄なく利用することをテーマとして、間伐材や木の皮など、普段は捨てられるような材料に新たな生命を吹き込みました。 ですから、同じ形が二つとない代わりに、野生味のある素朴な作品になっています。 「欅の皮」シリーズは、名のとおり、剥いだ欅の皮にそのまま漆を塗りました。 | 「へぎ目」シリーズは、ヘぎ目という間伐材の杉の板を割った時に自然に出来る筋目が生かされていて、お料理の脇役として今の時代にふさわしいパートナーになるお皿になっています。そんな自然があふれるお皿には、京都の料理屋さんはお漬け物をのせ、東京の和菓子屋さんは、もちろん和菓子とお茶を並べて載せたり、という具合に使い方は広がります。お造り、てんぷら、焼き魚、とイメージするのが楽しくなり思わず食欲がわいてくる、そんなお皿です。古い工房で奥様と二人、今という時代を生き抜くために「何とかせねば」とおっしゃいますが、だからこそ、ダイナミックな塗りの作品ができるようです。 |
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