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・平成12年度選定商品カタログ

石川のクラフト「何か新しいもの」を 〜今という時代に、使ってもらって喜んでもらえるものを〜
何一つ不自由のない時代なのに、何か満たされない今日なのは、人々は常に「何か新しいもの」を求めているからではないでしょうか。 「何か新しいもの」の答えの一つが、地域や伝統を生かしながらも、創造性に溢れ、現代感覚に満ちた、普段の生活に使える「クラフト」ではないでしょうか。 石川県は、輪島塗、山中漆器、九谷焼、加賀友禅など数多くの伝統工芸を有しています。 しかし、全ての作り手が、伝統を守り続けているわけではなく、その時代の生活に対応した「生活工芸」とも呼ばれる「クラフト」を目指す作り手も沢山活躍しています。 特に近年では、専門の教育機関でデザインや工芸を学んだ若者が、生活は苦しいながらも、着実に力を付け、「スタジオ・クラフト」と言うべく、小さな工房として育ち、新しい創作の世界を切り開いています。 また、それぞれの産地でも、普段は伝統的な工芸の仕事に従事しながらも、自分の時間で、思い思いの創作に取り組み始めた若者も少なくありません。 そうした作品は、徐々にですが、自分の生活を楽しもうという人たちに好感を持って迎えられています。 使う側にしてみれば、自分が気に入れば「伝統工芸」とか「クラフト」や「アート」という言葉の区分はあまり意味がないことなのかもしれません。 確かに、ここに紹介する作り手の皆さんの話を聞いてみると、そうした言葉で自分が色分けされることよりも、木や漆、土やガラスという素材の美しさを味わってほしい。塗りや焼きという技の巧みさを見てほしい。自身の表現する美と創造性を感じてほしい。そして何より、「今という時代に、使ってもらって喜んでもらえるもの」を作り、皆様方に思い思いの生活を楽しんで欲しいという気持ちに溢れています。 石川県デザインセンターでは、こうした新しい創作に取り組む作り手たちの中から、普段の生活に使われるもの作りを目指している作品を「石川県デザインセンター選定商品」として選定し、紹介しています。 特に今回は『石川のクラフト「何か新しいもの」を』というテーマで構成しました。奇抜とかユニークとか、そういう新しさではなく、どれも「生活のシーンを見つめ直し、自らの個性を最大限に発揮し、背伸びせず自らの技術と生活体験の中から生み出された無理のない形」です。 積極的なご利用を期待しています。

平成12年度 デザイン推奨事業 実施概要
目的 「石川県デザインセンター選定商品」の選定と普及
主催 (財)石川県デザインセンター
内容
1) テーマ設定委員会の開催 (事業の進め方の検討)
日 時: 平成12年12月1日(金)
委 員: 専門家
・ 御手洗照子 (有)T-POT代表取締役
・ 小松喨一  金沢美術工芸大学名誉教授
ほか、金沢、輪島、山中、九谷等の産地で工芸やデザインの指導に携わっている専門家のアドバイスをいただきました。
内 容: ・ 新しい工芸の販路拡大の方策の検討
・ 注目される商品分野の検討
・ 若手作家育成支援の方策の検討
・ 特に積極的に勧誘する企業・作り手のリストアップ

2) 申請要項の配布及び勧誘
申請要項を工芸に関する企業・作家に送付するとともに、テーマ設定委員会の内容に基づき、勧誘も行った。

3) 審査会及び意見交換会
日 時: 平成13年1月25日(木)
審査員: テーマ設定委員会のメンバーと同じ
内 容: ・作品審査
・ 講評及び意見交換会

選定基準
選定商品としての、基本的な考え方は概ね次のとおり。
@デザインマインドの高いもの
・オリジナリティに溢れ、創作意欲の高いもの。
・生活に対する思いやり、社会に対する信頼性が高いもの。
A生活者のニーズを追及し、商品価値の高いもの
・機能性、安全性、計画生産性について考慮し、妥当な価格で、商品価値の高いもの。
・時代性、市場性など生活者やマーケットのニーズに対応するもの、できれば生活者のウォンツを喚起するもの。

選定商品の普及
1)第25回大阪インターナショナル「ギフト・ショー・春2001」に出展
2)選定商品カタログの作成配布
3)デザインコーナーでのPR
 ・東京(石川県観光物産東京案内所内)
 ・大阪(ほっと石川なにわ館内)
 ・金沢(石川県伝統産業工芸館内)